はじめに:不安な気持ちは当然です
お子さんの様子を見て、「うちの子、もしかして……」と感じたとき。
胸がギュッと締めつけられるような、そんな不安を抱えるお母さんも多いでしょう。
大丈夫です。
その「気づき」は、お子さんにとっても、お母さんにとっても、これからの未来を良くしていくための大切な第一歩です。
この記事では、学習障害かもしれないと感じたときに、お母さんができる「最初のステップ」についてお話ししていきます。
焦らず、一歩ずつ、希望に向かって進んでいきましょう。
1. 「学習障害」ってなに?まずは正しい理解から
まずは、学習障害(LD:Learning Disabilities)について簡単におさらいしましょう。
学習障害とは、「知的な発達に遅れはないものの、読む・書く・計算するなど特定の学習分野だけに著しい困難が見られる状態」を指します。
つまり、「努力不足」「親の育て方が悪い」などでは決してありません。
学習障害の種類には
- 読み書きに困難が出る「ディスレクシア」
- 数や計算に困難が出る「ディスカリキュリア」
- 書くことに困難が出る「ディスグラフィア」 など、いくつかのタイプがあります。
こんなサインが見られたら注意
- 文字を読むのに極端に時間がかかる
- 音読がスムーズにできない
- 書き取りが苦手で、鏡文字や逆さ文字を書く
- 数字を覚えるのが苦手、簡単な計算でつまずく
- 指示を理解するのに時間がかかる
これらが「いつも」起きている場合、学習障害の可能性も考えられます。
ただし、診断を下すのは医師や専門家の役割ですので、お母さんが「疑う」ことではなく「気づく」ことが大切です。
2. サインに気づいたら、まずやってほしいこと
① お子さんの今を冷静に観察しよう
焦ったり、落ち込んだりする気持ちはとてもよくわかります。
でも、まずは「冷静な観察」を意識しましょう。
- どんなときに困っているか?
- どんな課題でつまずいているか?
- 家ではどんな様子か?
メモに残しておくと、後々とても役立ちます。
感情ではなく、できるだけ「事実」を見ることがポイントです。
② お子さんの「得意なこと」も見つけよう
困りごとに目が行きがちですが、「好きなこと」「得意なこと」も同時に探してみましょう。
たとえば
- 絵を描くのが得意
- 人と話すのが好き
- スポーツが得意
- パズルが好き
学習障害があっても、才能は必ずあります。
「できる」「楽しい」が本人の自己肯定感を育みます。
3. 相談先を探すという選択
「もしかして」と思ったとき、自分たちだけで抱え込むのはとてもつらいことです。
そんなときは、専門家に相談することをおすすめします。
相談できる場所
- 小学校や幼稚園の担任・スクールカウンセラー
- 発達相談センター
- 児童精神科、発達外来
- 民間の発達支援センターや教室
「相談=すぐに診断される」というわけではありません。
「不安を整理する場」と捉えて、気軽に訪れてみてください。
ポイント
▶「お子さんにどんな困り感があるか」を具体的に伝えられると、相談がスムーズです。
(例:「ひらがなの読み書きに時間がかかる」「簡単な足し算を覚えられない」など)
4. お母さん自身もサポートが必要です
学習障害のお子さんを支えるお母さんは、誰よりもがんばっています。
でも、がんばりすぎて疲れきってしまったら、長い子育ての道のりを一緒に歩んでいけません。
自分の気持ちも大事にしていい
- 友達や家族に話を聞いてもらう
- 自治体の親の会に参加する
- SNSなどで同じ境遇の人とつながる
- 自分へのごほうび時間を作る
「助けて」と言うことは、弱さではありません。
それは「強さ」です。
お母さんが笑顔でいられることが、お子さんにとって一番の安心になります。
5. 最後に|学習障害があっても、未来は明るい
学習障害のサインに気づいた今、きっとお母さんは「どうしたらいいの?」と不安でいっぱいかもしれません。
でも、大丈夫です。
いま「気づいた」ことで、お子さんの未来は確実に変わり始めています。
学習障害があるからといって、夢を持てないわけではありません。
世界中には、学習障害を持ちながらも素晴らしい才能を発揮している人たちがたくさんいます。
例えば
- トム・クルーズ(俳優)
- スティーブン・スピルバーグ(映画監督)
- アインシュタイン(物理学者)
も、学習障害だったといわれています。
お子さんは、「できない子」ではありません。
「違う力を持った子」です。
そしてその力は、適切なサポートとあたたかい見守りによって、きっと花開きます。
焦らず、比べず、信じてあげましょう。
そして何より、お母さん自身も、どうか自分を大切にしてください。
まとめ
- 学習障害とは「特定の分野だけに困難が見られる状態」
- サインに気づいたら「冷静に観察」「得意なことを探す」
- 一人で抱えず、専門家に相談する
- お母さん自身の心も大切にする
- 未来は希望であふれている
小さな一歩が、未来を変えます。
あなたとお子さんの歩みを、心から応援しています。